20歳の夏、横浜の田舎町の老舗スナックにアルバイトとして入店した初日。
カウンターに入れられ、ママに言われた言葉は「目の前のお客様を楽しませてくれればそれでいい」だけでした。
お客様に笑っていただこうという一心で、共通な話題もないおじさま達に汗だくになりながら必死に言葉を選び、話題を考え、話を合わせました。そしてカラオケを勧めて歌っていただいたお客様の一人が帰り際に「今までで一番楽しかったよ」と縦に折り曲げそっと渡された1枚の千円札。
お客様に何とか楽しんでもらおうと一生懸命頑張った思いが伝わった。涙が出そうなくらい嬉しかったのを記憶しています。
これがわたしの飲食への想いの原点です。
あれから20年後の2005年4月6日。自分の誕生日に店舗設計デザイナーの事務所の門をたたき、翌年2006年2月15日。
雪がちらつく寒い夜に18.6坪37席という小さな店『天国の酒 とりやたまや』をオープンしました。
これまで数多くの方々に支えられ、また人の縁を大切に・大切にやってまいりました。
自分以外の人の役に立つ事、自分以外の人のために生きる事をこれからも大切に、充実した時間を過ごせる場所をつくるため、これからも私達自身楽しんで実行したいと考えます。ありがとうが溢れる街にする事で、豊かな心を共有し続ける。
それが私達の使命なのです。
株式会社とりやたまや
代表取締役 佐々木 薫